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狂熱

前回は映画「ゴッドファーザー」の話をしましたが、書き忘れていたことがたくさんあります。PARTⅠでマフィアのドンを存在感たっぷりに演じたのはご存知マーロン・ブランドです。「地獄の黙示録」で演じたカーツ大佐も凄味たっぷりで、貫禄が感じられます。残念なことに昨年80歳で亡くなりました。彼ほど渋い俳優はなかなかいませんよね。「ゴッドファーザー」で二度目のアカデミー主演男優賞に選ばれたものの、受賞を拒否。当時私はまだ生まれていませんでしたが、おそらくかなり衝撃的な事件だったはず。これが原因かどうかは分かりませんが、ゴッドファーザーのPARTⅡには出演せず。

そこで彼に代わり、PARTⅡで若き日のヴィトー・コルレオーネを演じたのがロバート・デ・ニーロ。声がやたらかすれているのが気になりますが、おそらくわざとでしょう。無類のカッコよさにシビレます。周囲からはマフィアのボスとして恐れられるものの、家庭では良き父として家族を愛します。二つのファミリーを守るため、命をかけて行動するのがマフィアのドンという生き方。

ヴィトー亡きあと二代目のドンに就くのが三男マイケル。「長男や次男はどうしたの?」という人はぜひ映画を見てください。マイケルを演じたのはアル・パチーノです。こちらはシリーズ三作全てに出演。愛と憎悪に包まれて苦悩を抱えるドンを見事に演じました。PARTⅢの声なき絶叫は、強烈な記憶として私の頭に焼き付いています。

デ・ニーロとパチーノ。二人とも「ゴッドファーザー」シリーズをきっかけとしてスターの仲間入りをし、それから三十年以上もの間活躍し続けています。二人が同じ映画に登場するのはPARTⅡが最初。ですが撮影は別々に行われたらしく、完全な共演とは言いにくいようです。二人がきちんとした形での共演をはたしたのは、それからなんと20年後! これから述べるのがその映画、「ヒート」です。

ともに素晴らしい俳優である二人の魅力を、最も効果的に描ける設定は何か。監督 兼 脚本のマイケル・マンは頭をひねったはず。結局、二人に死闘を演じさせることになりました。ありふれた設定ですが、たしかにこれが最適な形でしょう。でもこちらのサイトによると、この映画は監督の自作をリメイクしたものなんだとか。TV用に撮影したときは思い通りのものを作れなかったんでしょうな。逸材を得て「今度こそ! これで俺の想像どおり、いやそれ以上の作品ができる!!」と思ったのではなかろうか。

「ゴッドファーザー」も長尺の映画ですが、「ヒート」も三時間弱あります。公開されたのは今から10年前、1995年でした。母親と一緒に見に行ったものの、男くさい話が母親には面白くなかったらしく、途中でウトウト・・・。逆に私は最初から最後まで映画に引き込まれていたのを覚えています。映画の終盤で12分間にわたって続く銃撃シーンは圧巻の一言。さすがに母親もこの時は起きていました。というより、あまりの音のでかさにビックリして目が覚めたみたい(笑)

二大巨頭のほかにも、ヴァル・キルマー、トム・サイズモアなど渋い俳優が出ています。また、アル・パチーノの娘役として、なんとあのナタリー・ポートマンが出演しており、見逃せません。ほんの少ししか画面に登場しないのが残念ですが。

重厚なストーリーだけでなく、シンセサイザー?による泣きメロも忘れられません。内容が濃く人を選ぶ映画であるのはたしか。評価も分かれていますが、一回は見てほしいです。あっ、また書き忘れたことが・・・
by lambda924 | 2005-03-22 00:21
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