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またね

弱々しげに近づく煙。そのまま体に受けていた。

「あるだけの 菊投げ入れよ 棺の中」  夏目 漱石
夏は去り際も優しくない。太陽のバカ野郎。

「まだ」と「もう」が交錯する頭の中からは言葉が出てこなかった。自分の無力さを痛感。ただ、答えの返ってこない問いを繰り返す。

夜、映画を見た。楽しんだ。大笑いした。そして泣いた。映画ってずるいよ。

どうしようもない悲しみが和らぐ日は来るのか。和らげることはできるのか。俺は強くなれるのか。弱さを捨てないままで。

「運命」なんて信じたくないけど、そこから人は逃れられないのかな。なぜ君だったんだろう。近しい人にとって、俺らの存在自体が涙の遠因になるというやりきれない現実。それに気づいていたとて、活路は見えず。何か自分にもできることはあるはずなのにね。

「が、それを道徳的に非難して見た所で、本来薄情に出来上つた自分たち人間をどうしよう。」 芥川 龍之介 『枯野抄』

どこまで行けるか分からないけど、自分なりに精一杯進んでみるよ。立ち止まったり、来た道を引き返そうとしたらケツをけっとばしてね。俺も、いずれ、そのうち・・・。でも、今はまだ。

「塚も動け 我が泣く声は 秋の風」 松尾 芭蕉

# by lambda924 | 2005-10-02 00:33

笑えず泣けない 朝が来ても

昨日、遂に終わっちゃったね。そう、愛・地球博。・・・じゃなくて、hide MUSEUM。日付けが変わったから、もう一昨日のことになるのか。

彼の地には数年前の夏、一度だけ友人と訪れた。海のすぐそば、周囲は見渡す限り何もない原っぱ。そこに、ポツンと置き去りにされたかのような建物。今年閉館すると知ったのはつい最近。青天の霹靂だった。

このブログの左下を見てもらえば分かるとおり、ライフログの2つ目に登録してるのが先週発売されたばかりのツアーDVD。実は、まだ見てません。見たいんだけど、なんか踏ん切りがつかない。

昨日はずっと彼のCDを聞いてた。ソロ・X (JAPAN)ともにオリジナルアルバムは全部持ってる。なのにいざ聞こうとすると見つからず。仕方なく、あまり聞いてないベストをかけてみた。そしたら一気にあの頃の興奮が甦ってきて・・・。我ながら嬉しい驚き。

ベストやリミックスアルバムはあったのに、一番聞きたいアルバムが行方不明。でもそのうちひょっこり現れるんだろうな。しれっとした顔で。

優しいハートでヘヴィーなリフを奏でた彼。もう二度とあんな人は出てこないだろうな。イタズラが大好きで、自分が一番楽しんじゃう。周りはそれに振り回されながらも、いつの間にか病みつきになっちゃって。

ファンになったのは遅かったけど、楽しい夢をいっぱい見させてくれた。そして、今もその夢の続きにいる気がする。ほんと、ありがとね。怪人の暴れっぷり、そのうち見るよ。んじゃ、また!
# by lambda924 | 2005-09-27 02:17 | 音楽

Rebirth

まだ余韻が残ってる。燃焼しきった心と体。次第に前方から人が減り、空いたスペースでほっと一息。ようやく汗がひいてくる。でも熱は醒めない。

ふと入場前に親しくなった女性を思い出す。ハイロウズ登場までは近くにいたのに、半時間全く姿が見えず。途中、俺のすぐ隣で将棋倒しが起こった時、巻き込まれなかったかな。幸い、周りの人がすぐに助け起こしてたけど。あるいは人の林に囲まれて窒息してたりして・・・。今更ながら心配する。

と思ったら前にいるしw お互い、無事を喜び合う。彼女はハイロウズのライブ、初めてとのこと。アルバムはよく聞いてるし、「ミサイルマン」が大好きだってさ。いいねぇ。残念ながら「ミサイルマン」はやってくんなかったけど、彼女も楽しみまくった様子。やっぱ、ライブだよな!

そんな彼女のお目当て、KING BROTHERSは本日のメイン、堂々のトリ。正直な話、ハイロウズのあとに出てくるバンドって想像つかなかった。もちろん、期待してはいたんだけど、不安も少し。つーかいっぱい。裏切られることほどヤなものってないからね。

でも、彼女が東京から一人で来たという事実が、徐々に不安を吹き飛ばしていった。セッティングも終わり、「いよいよスタートかな」と思ったら、舞台の袖から一人の男が現れた。って、えぇっ!? まさかまさかのヒロトじゃん! 思わぬ事態に大仰天。

そしてなんと、ヒロトがキンブラを紹介。

「フジロックでもサマーソニックでも、ロックインJAPANでも、」

「ロラパルーザでも・・・(ここでちょい詰まるw)、グラストンベリーでもモンタレーでも、レディングでも(ここらへん記憶曖昧)、」

「自分の出番が終わったらとっとと帰るハイロウズですが(※)、今夜はまだ帰りません。今日は神戸に残ります。ここにはぼくを帰さない何かがあります。」


(※ハイロウズは海外フェスに出てませんw サマソニにも出演してないはず。でも、そんなんカンケーないぜ!)

「ロックや君たちに未来があるかどうかは分かりません。でも、ロックの今を見せてくれるバンドがいます。それが彼らです。」

「君たちは扉を開ける必要はありません。彼らが開けてくれます。君たちはそれに飛び込んでください。KING BROTHERS!!」


最高だよ、ヒロト。キンブラの開演前、たまたまステージに向かって右側にいたんだけど、ちょうどヒロトの真ん前。ライブ中の悪童ぶりとは打って変わって、優しさ・あったかさがにじみ出ている。キラキラした目。一生忘れないよ!

いよいよヤツラが現れた。右側にKEIZO、左側にMARYA、そして真ん中にSHINJI。ドラムがありえないほど前に設置されてる。のっけから全開で叩き始める野人。つーか、あれは最早野獣だなw

KEIZOとMARYA、二人ともギター。3ピースでベースレス。いきなりKEIZOがアンプに飛び乗り、こちらに背を向けてリフを弾きだす。どっちがリズムでどっちがリード? そんなヤボな疑問を吹き飛ばすように、爆音の塊をどんどんこっちに撃ち込む。

まず、KEIZOが歌いだす。MARYAはというと・・・吼えている!噛み付くように吼えている!それどころか、しまいにはくわえちゃったよ、コイツw

ただもう唖然、呆然。一発で気に入ったよ。こんなユカイな奴等を今まで見逃していたことに後悔。すでに世界をまたにかけている彼らだけど、地元は兵庫の西宮。すぐそこじゃん!

3人ともありえないほどヤバイけど、やっぱMARYAだな。挨拶代わりにダイブするし。「マイクがつぶれちまったぁ」の連呼だし。ギターとファックしてたし。真っ先に浮かんだイメージが、チバユウスケ+アベフトシ。

時おり顔を見合わせながらグルーブの渦を生み出すメンバー。HOWLING SETTAと同じく、キンブラも曲の始まり・終わりがよく分からねぇ。ライブでは曲じゃなく、魂を奏でているのかも。

ライブの終盤、KEIZOが声を張り上げる。「お客さんの顔がよく見えねぇ。照明全部つけて!」

そしたらなんと、KEIZOとMARYAが二人ともこっちにダイブ!! サーフしてフロアの真ん中へ移動。その間もひたすらギターをかき鳴らす。マイクをくわえて絶叫。が、ギターのシールドが外れてしまった。慌てて対応におわれるスタッフ。彼らまで客側に突入。シールドとマイクのケーブルをピンと伸ばして二人に届かせる。俺も協力w

二人を取り囲む人の輪。あんなに輝いている客の顔を見るのは初めてだった。その時、思った。ああ、そうか、これがロックが生まれる瞬間なんだ!

時を経るごとに勢いを失うものの、また不死鳥のように何度でも甦るロック。そして、俺は今、その現場にいる。これ以上の幸せってないよ。

二人がステージに戻り、長い長~いアウトロをかましてライブ終了! すぐさまアンコールを求める拍手の嵐。が、スタッフが後片付けを始める。諦めかけたものの、舞台の袖にいるスタッフが予定変更を伝える。それを聞いてスタッフも嬉しそうにセットし直す。OK!!

再び登場するメンバー。KEIZOは何度も「ありがとう!」って言ってた。MARYAは口にはしなかったものの、気持ちは伝わってきた。SHINJIの笑顔が全てを表していた。

アンコールも一瞬に思えるほど、あっという間に終わってしまった。ダブルアンコールを求める拍手。さすがにそれは実現しなかったけど、あれはお客さんからメンバーへの「ありがとう」だったんだと思う。

午後10時。とうとう永遠の夜も終わりを迎えた。忘れられない瞬間がいくつもあった。この日24になった俺にとって、最高のプレゼント。


会場の外に出ると、少し夢から醒めたようで寂しかった。突如戻ってきた現実。(自宅が遠いので、終電に間に合うか内心ヒヤヒヤもんでしたw)

これにて俺の夏は終わり。最後にでっかい花火を打ち上げてくれたことに感謝。そろそろ、本業にとりかかろうかと思います。エンジンがかかるか我ながら不安ですがw
# by lambda924 | 2005-09-26 14:58

飛んで 飛んで 飛んで 飛びまくって!

サンダーロードを渡りきり、ヒロトのMC。ピート・タウンゼントやキース・リチャーズの名を挙げる。次の曲はもちろん、不死身のエレキマン

大島さんのドラムがあのリズムを刻みだす。そこへ銃火器のようなギターが乗っかる。ヒロトもいつの間にかギターを抱えている。と思ったら、イントロでいきなり大旋風!「ウインドミル奏法」をこんな間近で見られるとは。ハンパじゃねぇよ、あの回転w

初っ端から「hey! hey! hey!!」の大合唱。ステージの4人から全く目が離せない。ほんと不死身だ、このエレキマンたちは。「第一希望しか見えないぜ」のところで、みな人差し指を突き上げていた。

相談天国!」

休む間もなく、ヒロトのコールで曲に突入。終盤に入ってスピードを緩めるどころか、さらに加速! 今度は何本もの拳が上がる。みんな、跳ねる跳ねる! 俺の眼鏡は曇る曇るw 一回落としかけて冷や汗。すかさずキャッチしてくれた隣のお姉さん、ありがとう!

間奏で大島さんがスティックを、調べさんがピックを高々と放り上げる。何度見てもこの瞬間は震える。どこまでカッコいいんだ、この男達は!!

悲鳴のような歓声で相談天国、終了。またもやヒロトが曲名をコール。そう、ラストは真夜中レーザーガンだ!

ただ、そこにいた。見た。聞いた。歌った。飛んだ。・・・そして、笑った。

全てが超越した時空。魔法はいつまでも解けなかった。ずっと続く何かが得られた。ただ一言叫んだ、「ありがとう!!」

でも、最高の夜はまだまだ終わらない♪
# by lambda924 | 2005-09-26 12:02

GO! GO!! GO!!!

イベント開始時からずっと、筆者はフロアのかなり前方にいました。ただ、さすがに彼らの登場の際は押し合い圧し合いが尋常ではなく、位置を大きく動かされることに。最初はマーシー側にいたのに、ステージに向かって真ん中より少し左、調さんの方に飛んじゃったw

いよいよメンバー登場!! 怒涛のような歓声。・・・って、全然見えねぇよ! 背は175cmほどあるのに、人の頭がいくつも連なってよく見えない。ようやくフロント3人の姿を確認。ヒロトは軍服?1枚しか羽織っていない。めっちゃ肌白いなぁ。調さんは全く表情を崩さず。クールだねぇ。マーシーは、トレードマークのバンダナから髪がこれでもかと言わんばかりに飛び出してる。ボサボサじゃん。誰だよ、マーシーはハ○゛って言ったヤツw

地鳴りのようなドラム。が、音はすれども姿は見えず。大島さん、マジでそこにいるの!?


こちらをにらみつけ、悪魔の舌先を伸ばしながらヒロトがハープを吹き鳴らす。1曲目はママミルク!!

この曲をライブで聞くのは初めて。実の所、特別好きな曲ではなかった。この夜までは。なんだよ、このカッコよさ! 彼らの曲はやっぱ、生で聞いてこそやね。CDではその良さ・魅力が伝わりきらない。長い間奏が血を沸騰させていく。のっけからフロアは爆発。こんな事ができるのはハイロウズだけ。

ママミルクの興奮が醒めないまま、2曲目に突入。高らかに鳴り響くFのコード! ズートロだっ!!

日本のロック史上、類を見ない歌詞。極限まで削ぎ落とされた単純さが感情に直結する。まさにsimple is the best! ヒロトが拳で胸を叩く。鳴っているのは命の喜び。楽しすぎる!

おっ、やっと大島さんが見えたよ。グラサンかけてるじゃん。渋いねぇ。こんな素晴らしいドラマー、そうそういないよ。

3曲目はスーパーソニックジェットボーイ

「ロックがもう死んだんなら そりゃあロックの勝手だろ」

「どうでもいいじゃないか そんなことはどうでも」

あぁ、ホントそうだよ。全てがブッ飛ぶ至福の瞬間。今日ココに来られて本当に良かった!

そして、ドラムの新しいリズムが次の曲のスタートを告げる。が、最初は何の曲か分からず。ベースが鳴りだしてようやく得心。ずっとずっとライブで聞きたかった曲だよ、これ。もち生では初めて。サンダーロード!!

必死で手を伸ばすぼくら。何かに届いた気がするよ。スタンディングで初めて聞けて言うこと無し!

ライブはまだ前半が終わったばかり。狂熱の後半に突入だ♪
# by lambda924 | 2005-09-26 01:09